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2025年(令和7年)6月5日号 元町コラム 
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!

 横浜モトマチ
  “Rainbow Connection”
遥かな虹を超えて 〜(11)

 いつも6月になると思い出す事があります。

 2020年6月18日に103歳で旅立った英国の歌手&女優の『ヴェラ・リン』(Vera Lynn)は、1917年3月20日のロンドン生まれ。 第二次世界大戦中、イギリス軍が戦っているエジプト、インド、ビルマの最前線で慰問コンサートを実施し、兵士の皆から「イギリス軍の恋人」と呼ばれました。

※ エリザベス女王は、戦時中の思い出と共にヴェラ・リンが歌った「We'll Meet Again」のタイトルを引用し「より良い日は巡ってくる。また会いましょう」と締め括った事は意義深いものがあったーーー。

 世界中がコロナ禍に見舞われた2020年のエリザベス女王の国民に向けた異例のスピーチ、「即位68年の間で5度目のスピーチ 」(下記に添付) を少々、掘り下げてここに記録しておく事に致します。

https://www.bbc.com/japanese/video-52178074

 エリザベス女王は、ヴェラ・リンが歌った「We'll Meet Again」のタイトルをスピーチで引用し「より良い日は巡ってくる。またお会いしましょう」と締め括ったのです。

 

※ ヴェラが最前線で戦っている兵士たちへの慰問で歌う定番の一曲がこの「We'll Meet Again」だったーーー。

 戦前のヴェラ・リンはユダヤ人難民の子供たちを英国に連れてくるためのショーを行った数少ないアーティストの一人で彼らをドイツから脱出させるための資金調達のチャリティーショーに積極的に参加しました。

 その一曲を称して「英国の国民的応援歌」との女王の言葉には実に意義深いものがあります。

https://m.youtube.com/watch?v=G9CczVcyQNA
Vera Lynn : また会いましょう (We'll Meet Again)

 慰問で歌うこの「We'll Meet Again」が始まると兵士らと大合唱になるのが常で、これを歌う時、戦地の最前線で亡くなった多くの兵士達の気持ちを共有すると同時に涙を流しながら心に滲み入るものを皆で分かち合ったのです。

 1959年に大英帝国勲章OBE(勲4等)、そして、1975年DBE(勲2等)を授与。 2000年(Millennium)には20世紀の英国精神を具現化した英国人の1人として扱われるなど英国を支えた偉大な歌手でした。

 「We'll Meet Again」(また会いましょう)は、1939年、英国のソングライター、Albert Rostron Parker(作曲)とHughie Charles(作詞)が担当し、1943年のミュージカル映画「We'll Meet Again」の主演は、もちろん、Vera Lynn 本人でした。 そして、戦後のアメリカ合衆国でも称賛された楽曲だったのです。

 英国の、また、世界中の人々に励みと勇気を与えてくれた偉大な歌手の死を悼み、エリザベス女王はその功績と感謝をそのタイトル名に込めて深い哀悼の意を表しました。 「We'll Meet Again」と言う楽曲は戦争のために作られた曲ではなくミュージカル映画の為に作られたものである事を強調したのでした。

Tommy T. Ishiyama

 

※ 添付の写真は若き日と晩年のヴェラ・リンです。 英国を支え、英国を励まし続けて、、2020年6月18日、103歳の天寿を全うしました。 合掌

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