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2023年(令和5年)11月5日号 元町コラム

横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!

【特集】心安らかに人生を見つめ直す旅への誘(izana)い〜(20)

    11月も、はや5日目を迎えました。

    そして、そろそろ聴こえ出すのはクリスマスの足音。今年は少し早めにクリスマスソングを準備して、ドライブかたがた遠くの白い山々を目指してひと走りしたいものです。

    充実した心の日々を過ごす事こそ新たな季節を迎える心構えと思う次第ですが、さて、皆さまは「11月」と聞いて何を準備し、何を連想なさいますか?

    イメージ的には「文化の日」も過ぎて、ご家庭によっては「七五三」の準備に大忙しだったり、ご商売の皆さまは11日の「一の酉」から始まる「酉の市」、そして、週末の予定に忙しいグルメの皆さまには季節の歳時記になった感のある「ボジョレーヌーボー」(Beaujolais Nouveau)の解禁日などいろいろとお忙しい事と思います。 ご多忙なスケジュールも準備と覚悟しだいでは楽しさが倍増することは確実です。

※ 冠雪の範囲が日毎に大きく広がる今早朝の山中湖。朝焼けの富士が美しいーーー。

    元町クリフサイドで開催されるクリスマスディナーショウの出演を楽しみに、この時期からワクワク感が抑えきれなかったと言うのが「越路吹雪」さん(Koshiji Fubuki / 1924年2月18日〜1980年11月7日)でした。 折しも11月7日は、その越路さんの44回目の命日にあたります。 シャンソン歌手としての越路さんのイメージが定着する以前は宝塚歌劇団仕込みのポップスも沢山歌っていて、その代表曲の両翼はエディット・ピアフの名曲「愛の讃歌」(La Môme / La Vie En Rose)と、もう一曲、「ラストダンスは私に」(Save the Last Dance for Me)でした。

    そのせいか、この「ラストダンス、、」をシャンソン発祥の楽曲と思っている皆様が多いという事実がありますが、この名曲はアメリカの黒人男性4人のグループ、ドリフターズ(The Drifters )の持ち歌で、1960年リリースの大ヒットポップス。 オリジナル曲では内気な男の子の事をこんなふうに唄っています、、。

    〜誰と踊ってもいいけど ラストダンスは僕とね。

        だって、キミを車で連れて来たのは僕じゃん。

        僕がいなけりゃ、帰りの車に困るんじゃない〜

    それを越路吹雪さん専用に見事な日本語に置き換えて作詞したのが、名コンビの作詞家、岩谷時子(Iwatani Tokiko 1916年3月28日 - 2013年10月25日)さんでした。

    岩谷は越路吹雪ヴァージョンとして主人公を女性にする為に原作の「車」の部分をズバッと切り落とし、オリジナルの内容を生かしながらチョットやきもち焼きの女心を見事に浮き彫りにしたのです。 それが越路さんの少しはにかんだ歌い方にピッタリな出来上がりでしたから大ヒットしたのは必然でした。

    岩谷が宝塚歌劇団に就職して機関紙『歌劇』の編集長を務めていた折に、宝塚歌劇団編集部の部屋に偶然にやってきた8歳下のタカラジェンヌがいて、それが15歳になったばかりの越路吹雪でした。 2人は意気投合し、後年、越路の相談相手になっていた岩谷が越路から宝塚歌劇団を退団して歌手になりたい旨を相談された折に、岩谷も同時退職を決意したのです。

    その顛末には、当時の宝塚社長だった小林一三が心配して「越路ひとりでは不安だから」と、上京に際して岩谷を同行させた上に東宝文芸部の所属として越路の付き人を務めさせたという伏線があったわけですが、その後、自らが作詞家として成功してからも自分の本業を聞かれるたびに「越路吹雪のマネージャー」と答えていたと言う話は有名です。

※ 外国人墓地を横目に、、、元町は坂を楽しめる散歩道が多く存在しています。 来春の冒険旅行を目指して足腰を整えるには絶好の季節になって参りましたーーー。

※ 我が家も早速、ピアノの壁面からクリスマスの準備開始ですーーー。

 さて、原曲のドリフターズ「ラストダンスは私に」は1960年10月に全米ヒットチャートのナンバーワンにランクインしましたが、その時のヴォーカリストこそ、後に「スタンド バイ ミー」(Stand by me)を大ヒットさせた「ベン E キング」(Benjamin Earl King 、1938年9月28日〜2015年4月30日)ですので、この「ラストダンス、、」と「スタンド バイ ミー」が、兄弟姉妹のような温かい繋がりを感ずるのはそのせいかも知れません。

    「ご縁があった」だけでは片付ける事が出来ない人と人、人と楽曲の縁(enishi)。 いつの時代も大切に記憶しておきたいものです。

    皆さまも、来年の春は少年少女だった頃のあの時代に舞い戻って何処かへの冒険旅行にチャレンジしてみませんか。 今から鍛えておけば大丈夫。 山手の丘への坂道や高低差を楽しめる元町公園一周の散策路が格好のトレッキングコースになる事でしょう。 万全の準備を整えて皆さまをお待ち申し上げております事をご報告申し上げます。

    頑張って、、、。

Tommy T. Ishiyama

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