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*本コンテンツは、これまで元町公式メールマガジンにて配信しておりましたコラムです。

2022年(令和4年)6月20日号 元町コラム 
横浜開港200年/Y200(2059年)を夢みて!

〜 ヨコハマ元町 流れ行く悠久の風に乗って 〜 ( 4 )         

  冬が厳しいヨーロッパでは実に気候が素晴らしい6月です。

     以前の日本で、まだ「ジューンブライド」という言葉が知られていなかった頃、梅雨時期である6月の挙式を極力、避けるカップルが多かったそうで、全国のホテルや式場はどこも閑散としたものでした。 それもそのはずで、当時は空調設備の能力も低く、現在とは異なり完璧な除湿も不十分だったからしかたありません。

     困ったホテルの支配人たちが、この時期をどう乗り切ろうかと思案した結果、目をつけたのがヨーロッパの言い伝えでした。

     「ジューンブライドというのがあって、6月の花嫁は幸せになれる」と強調した宣伝戦略を開始すると、そのロマンティックな言い伝えに共感する人々へと波及して行ったのです。つまり日本のジューンブライドは「企業戦略」から始まったわけですが、ヨーロッパに点在しているジューンブライドの諸説を元町の特派員として調べた記録が手元に残っています。

     その中で、一番ロマンティックなのは、6月の月名である「JUNE」とローマ神話で結婚をつかさどる女神の「JUNO」から、6月は結婚や女性の権利を守護する「JUNOの月」であり、この月に結婚する花嫁は、最も幸せになるというものでした。

     その一方で、もっとも現実的だったのが、“気候・季節説”です。

     ヨーロッパの6月は1年の中で最も雨が少ない月ですから、気候も爽やかで、加えて「復活祭」が行われる月でもあることから、ヨーロッパ全体がメデタイお祝いムード一色となるのが常で、多くの人から祝福される6月の花嫁は一番幸せになる、という言い伝えです。

     そして、歴史的に正しいのが“結婚解禁説”という結論になります。

     農作業の繁忙期でもあるこの時期のお祝い事は何処の家も迷惑な話で、仕事の能率も下がることから、ヨーロッパでは3月、4月、5月の3ヶ月間は結婚が禁じられていたのです。そのため、結婚が解禁される6月に式を挙げるカップルが多く、待たされたぶん、皆の期待や祝福も多かったことから多くの人から歓迎される6月の花嫁は特に幸せだったという記録が残っています。

     6月の日本では雨と紫陽花(Ajisai)は恰好(Kakkou)のカップルですが、そこに華やかに登場するウェディングドレス姿の花嫁さんはとても美しく、綺麗にマッチすることは確実です。加えて、この日を待って挙式を行う二人は、伝統や縁起をかつぐことの大切さを知っているナイスカップルに違いありません。6月が女神さまの月であることは昔も現在も何ら変わりませんので、幸せを二人で受け継いで、人生を仲良く歩いて行って欲しいものです。

     幸せな2人は、新婚旅行の計画など、その準備もさぞ楽しかったことでしょう。世界地図を開くと、映画やニュースで知っている国々ばかり。話は変わりますが、新婚でなくても世界地図は、多くの時代を生きて来た私たちにとっても実に興味深い「絵本」でもあります。

※ ある日の元町ショッピング ストリート。
名作映画のワンシーンのように往年の名車たちが並び終わり、2泊3日のラリーのスタートを待っているーーー。

     一般的に知られている都市名とは別に、映画の舞台となり、数々の名作の中を歩いた古今東西の有名スター達の足跡をも知ることが出来るわけですが、そんな地図の旅に思いを馳せると、見えてくるものの多いことに驚くことでしょう。

     そんな都市の代表は、「ニューヨーク」、、。

     バーブラ ストライサンドが「ファニーガール」で演じたように、船上から自由の女神を眺め、そして、ロバート デニーロのようにリトルイタリーの裏通りを歩いてみましょう。 摩天楼の異名を持つニューヨークの高層ビルの群れの中で一番のエンパイア ステート ビルディングを見上げると、その高い屋上の上の、更に高い電波塔に登りつめたキングコングが居て、想像するに、そこから眺める有名なフィフスアヴェニュー・5番街に目を凝らすと、ティファニーでウィンドウ ショッピングを楽しむオードリー ヘプバーンが居て、その向こうにはムーンリバーが流れ、アップタウンに足を運べば、ナタリー ウッドとリチャード ベイマーが「ウエストサイド ストーリー」で恋人同士を演じたフラットがあって、そして、終点は何と言ってもハーレムの「コットンクラブ」。

     古き佳き時代と言うには、まだまだ、その輝きを失うことなく街の息吹きとなって存在し続けています。そこは、ニューヨーク、やっぱり、ニューヨークです。

※ いつでも、世界の何処へでも、、。
JALと契約しているTommy 専用のプライベート ジェットですーーー。

     その一方で、半世紀以上も前に作られたのに現在でも記憶の中にある映画があります。その1本が「カサブランカ」。あの有名な主題曲と相まって、いつも、心の中で映像と音楽が上映されているので、いつまでも存在し続けているのかもしれません。そのテーマ曲「As time goes by 〜 時の過ぎ行くままに」は、1931年にハーマン アップフェルド(Herman Hupfeld)が、ブロードウェイ・ミュージカル『エブリバディズ ウェルカム 』(Everybody's Welcome)のために作詞作曲した名曲ですが、筆者が生まれる5年も前、1942年制作のアメリカ映画の名作「カサブランカ」のテーマ曲として名声を博した事に驚きを覚えます。

     映画の中でも古い流行歌として取り上げられていますが、実は、この映画のために作られた楽曲ではありませんでした。

     作品の中では、印象的なシーンで効果的に使われていて、ドーリー ウィルソンが歌っているわけですが、この年はミュージシャンのストライキのためにこの曲をシングルとして発表することが出来ず、ドーリーは大ヒットを逃してしまったとの逸話が残されています。

     私事ですが、「As time goes by」を、毎年、今頃になると必ず思い出します。それは「時(Toki)」繋がりで、スイス商社時代の時計ビジネスと相まって、「時の記念日」が6月10日だった事にも関係しています。

     さて、この曲、「As time goes by」のタイトルは、日本語の訳としては「時の経つまま」、「時の過ぎゆくままに」等と多く訳されていますが、ニュアンス的には「どんなに時が経っても」が本来の意味ですから、ネットで「時の過ぎ行くままに」と検索すると、往年の人気歌手、ジュリーこと沢田研二さんの楽曲が真っ先に出て来て、映画・カサブランカには決してたどり着けません。

     時代が変わったというか、そんな「時の流れ」が、そこに存在していることに気が付き、「時が遠く過ぎ去っていった」ことを、ひたすら実感するわけですが、そんな話題をお届けしながら、元町ショッピング ストリートの週末のBGMに「映画音楽特集をそろそろ今年も」と催促をしている事に目覚めてくれる街の幹部、関係者が一人でも多く存在する事を祈りつつ、今日はストリートのスピーカーチェックを兼ねた散策に勤しむ事に致しましょう。

     皆さまのご健勝をお祈り申し上げると共に、この素晴らしい季節の皆さまのご来街を切にお待ち申し上げております。

Tommy T. Ishiyama

 

 

 

   

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