• facebook
  • twitter
  • instagram
  • youtube

2023年(令和5年)7月5日号 元町コラム
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!

【特集】心安らかに人生を見つめ直す旅への誘(izana)い〜(12)

 

    笹の葉がサラサラと七月の風に揺れています。

     七夕飾に想う事は、これまでの人生の積み重ねの上には沢山ありますが、いつもの散歩道で目にするテラスやベランダに飾られている七夕飾りは子供さんやお孫さんが無事に幼稚園児に成長した足跡を感じさせてくれて、温かい思いが致します。 遠目ではいつもの長方形に見えていた短冊が、近くで眺めたら魚の形をしていて実におしゃれでした。 思うに、天の川で泳いで貰いたい気持ちを魚の形の短冊で表現して、そこに大切な願い事が書きしたためられているのかもしれません。

     別の七夕飾には笹ではなく、何やらキラキラと沢山の金銀が美しく輝いていて、それは折り紙を利用して流れ星ふうにデザインされた短冊ツリー。 その圧倒的な存在感に驚かされます。

     元来は笹の葉に願い事を書いていたものが、やがて、短冊が用いられるようになり、その縦長の四角いデザインが「魚」になり、更に「金銀の星ツリー」に進化して、時代と共に研ぎ澄まされて来た感性の変遷に触れた思いが致します。

※ 夢も遥かな宇宙(おおぞら)に思いを馳せて、人類が帰るふるさとにも似た星々へ願いを届けるツール、それが七夕飾りなのかも知れないーーー。

※ 横浜元町厳島神社、日本神話に由来する「茅の輪くぐり」で厄祓い。境内の結界内に茅(ちがや)で編んだ等身大以上の輪を作り、そこを潜ることで心身を清めて災厄祓い。 正式に唱え詞を唱えながら8の字に3度くぐり抜けて今年も無病息災の祈願を済ませた。 毎年6月30日に各地の神社と同様に元町でも執り行われた「夏越の祓(なごしのはらえ)」の儀式も大切な夏の風物詩となっているーーー。

     さて、七夕の日の食べ物について、何か特別のものがあった筈ですが、3月3日は雛あられ、5月5日は柏餅、、 なのに7月7日って一体、何を食べる習慣があったのかが思い出せません。 ニュアンス的に少しズレるかも知れませんが「スイカ」や「そうめん」を食べた記憶があったので調べてみました。

     極めて古い起源では、平安時代には既に「そうめん」のようなものを七夕に食べていたという記録が残っており、その原型は『索餅(Sakuhei)』という中国から伝来したおしぼりみたいにひねったドーナッツ状のお菓子で小麦粉と米粉を練って縄の形にしたもの。 日本名では「むぎなわ」と呼ばれていた事が判明しました。

     この「索餅」を七夕のお供え物にしたという記述があるのが平安時代で、和名での「麦縄」(Muginawa)がいつの間にか「索麺」(Sakumen)と呼ばれるようになり、それが現在のような白くて細い「そうめん」に変化した経緯があり、これがなぜ七夕に食べられるようになったのかの理由は、どうやら「索餅」のふるさとである中国の風習に関係あるようです。

※ 間も無く日が沈む。 横浜港の夕景を見守るような美しい星たちの出番ももうすぐ。 雲が視界を遮っても、天空でそのきらめきが失せる事はないーーー。

     古代中国では7月7日に、亡くなった帝(Mikado)の子供が霊鬼神(悪霊)になって熱病を流行らせたという言い伝えがあり、それを鎮めるためにその子の好物だった索餅を供えて祀るようになったことから、7月7日に索餅を食べると無病息災で過ごせるという風習が定着して、それが、奈良・平安時代に日本に伝わり、同じく中国から伝わった七夕祭と相まって7月7日に索餅を食べる風習となったようです。

     無病息災を願いながら、日本ではその後、索餅は索麺となり、それが「そうめん」と呼ばれて、日本の七夕にはそうめんを食べるという習慣が生まれたわけですので、今年は大いに意識して「無病息災」を祈りながらそうめんを頂く事に致しましょう。

     七夕の日にそうめんを食べる風習は、なぜか仙台などの東北地方が中心で、どうして全国的でないのかは定かではありませんが、そうめんが夏の食べ物になった理由が七夕にあった事は明白です。

     そうめんを白い糸に見立てて、七夕さんに「はた織り」の上達を願いながら食していた家族の団欒(dan-ran)が懐かしくまぶたに浮かんで参ります。

     加えて、そうめんを天の川にみたてていただいたり、また、織姫と彦星を繋ぐ雲の糸として良縁成就を願いながらそうめんを頂くのも心がときめきます。 そして、最後のご祈願は縁結びの元町厳島神社(Motomachi Itsukushima-Jinjya)へ、、、出来すぎた結びで恐縮ですが、元町で皆さまのお越しを心よりお待ち致しております。

Tommy T. Ishiyama

 

follow

ページの先頭へ