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2023年(令和5年)1月20日号 元町コラム
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!

     心安らかに人生を見つめ直す旅への誘(Izana)い。

     2023年新春。 元町厳島神社(Motomachi Itsukushima Jinjya)の花手水(Hana Cho-zu)を拝み、心身共に清められたおかげで気がついた事があります。

     それは、これまでの旅の習慣として、「癒しを求めて旅をして来た」という現実があった事で、それはそれで宜しいのですが、「癒やし」に対して意識過剰な旅になりがちな傾向があった事でした。

     癒される筈の旅が、癒しを追い求めるあまり、結果として欲求不満な旅になってしまうことはよくある事で、それを解消するコツは原点に戻って自然に思うままの旅をする努力を怠らない事が重要であると気が付いたのです。

     その結果は明白で、旅の全てが予想外の展開となる場合が多く、それが喜びとなって心にじわーっと何かの感情が芽生えると、それは時間の経過とともに熟成を繰り返しながら本来の「癒し」となって心を揺さぶるのです。

     今日はそんな思いを胸に秘めながら、異常気象で気候温暖のヨーロッパを横目に、南アメリカ大陸の西、ペルーを目指したいと思います。

※ 荘厳な、しかし親しみやすい元町の総鎮守。 源頼朝が創建したと伝わる関内厳島神社が起源の元町厳島神社の新年ですーーー。

※ 一部の寺社、宗派によって花手水の考え方や参拝作法は異なりますが、花手水とは、もともと水の代わりに花や草木の露をつかって身を清める作法のこと。 今朝は縁結びのご縁で訪れたカップルやショッピングで元町を訪れた多くの皆さまがお詣り下さいましたーーー。

     そもそもペルーと聞いて思い浮かべるものと言えば、、マチュピチュ?コンドル?インカ帝国?ナスカの地上絵?それらももちろんですが、ペルーといえばずばりアルパカ。 ペルーを旅行しているとお土産屋さんで並べられている商品や人々が身に着けている素朴な素材に華やかな色合いのアルパカ製品を数多く目にします。 そう、アルパカは南米ペルーが原産の動物。

     元町ショッピングストリートでもよく見かける、寒い冬の日にいつもホッカホカに私たちを守ってくれるあの上質なセーターやコートの高級素材を提供してくれている可愛い顔のアルパカに会いにアンデスへ出かける事に致しましょう。

※ かわいいアルパカは一日中眺めていられる癒し系動物の筆頭かもーーー。

     観光エリアからは外れますが、ペルーに来たからにはアルパカをたくさん見たいという皆さんにとって必見の穴場スポットは、通称アルパカ牧場、現地の名前では「アワナカンチャ」と呼ばれて、クスコの近郊、車で約40分の場所にあります。 タクシーを使いますが目的地は車の通行がほぼないので、帰りのために待っていてもらう事をお忘れなく。

     入場料は無料の上、アルパカ以外にもリャマやビクーニャなど、様々な種類のペルー原産の動物たちが暮らしていて動物好きには堪らない場所。 こじんまりした大きさが動物達との距離を一層近くしてくれて、横浜の野毛山動物園を思い出す筈です。

     与える餌も自由で、特に餌用の売店があるわけではなく、食欲旺盛なアルパカには周囲に生えている草をむしって食べさせるだけですから、それだけでも癒しそのものです。 更に進んでいくと、アルパカやリャマの毛を染めた素朴な糸で織物をしている人々が居て、ひとつひとつ丁寧に手織りが重ねられて行く綺麗な色合いからも温かさが伝わって参ります。

     アルパカ好きな皆さんに共通しているのが、この長閑な雰囲気と静かに流れて行く時間を知っているという事。 アルパカが可愛いのはもちろんですが、記憶の何処かにある時空を超えた何かが本当の癒しとなって私たちを包み込んでくれるのです。

     何処からともなく民族楽器、ケーナの笛の音が遠くから聴こえて来るような雰囲気満載ですがアンデスの高地や太平洋岸の地を有するペルーは古くから文明が栄えた国。 マチュピチュ遺跡など多くの世界遺産が点在する観光大国ゆえに、地上絵で有名なナスカの周辺だけでも紀元前後からの遺跡群が多く点在し、当時の水路跡やミイラなども残されています。

     昨今は「インスタ映え」スポットとしても人気のワカチナ・オアシスも外せない見どころとして多くの観光客を集め、砂丘をバギーカーで走るアクティビティが若い皆に人気ですが、忘れてはならないのは此処が古来より太陽信仰が盛んで黄金の国とも言われたペルーということ。

     マチュピチュ遺跡のふもとには地元の人々にも大人気の温泉が湧き、大自然のふところでひと風呂浴びるなんて、なんだか親近感が湧いてくるし、幻想的なこのワカチナの街はペルーの首都にして、およそ800万の人口を誇る大都会。 旧市街セントロ地区など植民地時代の建築が建ち並び、歴史を感ずる癒しの世界遺産として有名です。

     ナスカ高原の「世界七不思議」の地上絵をセスナ機や地上の観測塔ミラドールから眺めて、その圧倒的な人類の悠久の歴史を直視し、太平洋岸の街、ペルー北部の中心都市「トルヒーヨ」のワンチャコ海岸でいただくシーフードと美しい夕日にも癒されて、チムー王国の首都が置かれた世界遺産の「チャンチャン遺跡」や「モチャ文明の遺跡」を巡って何かを感ずることも重要です。

     そして、クスコへ。 インカ帝国時代には宮殿があったクスコはケチュア語で「へそ」を意味するインカ帝国の首都。 インカ時代の宮殿や神殿は破壊されてしまいましたが、その礎石(Soseki)の上にスペイン風の教会や邸宅が築かれていて、富士山の頂上に住むのと同じような標高3400メートルに存在するクスコの街並みは神々しい山々に囲まれて、街の形状もインカの守護神コンドルを模しています。

     下界を見おろし、優雅に飛翔するコンドルのように、私たちも2023年という雄大な旅の始まりを見渡し、行く先を自覚する事も大切です。

     今日の元町コラムは、ペルーの「癒し旅」を集大成でお届け致しました。

Tommy T. Ishiyama

 

 

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