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2024年(令和6年)35日号 元町コラム 

横浜開港200 / Y2002059年)を夢みて!

 

モトマチのフェニックス 〜不死鳥の翼に乗って〜(5

 

 〜 地球、、現世の人類が知り得る唯一無二のもの 

 

 先日まで真冬のシフトだった星空も季節が進み、新年から鋭い光を放っていた明けの明星(金星)が出番を終えたように見つけにくくなる頃、陽が沈んだ後の空には木星が輝き出して、それが合図だったように春が本番を向かえようとしています。

 

 そんな規則正しい星々の運行が繰り返されている夜空を眺めながら思う事は、もし、私たちが、地球というものの存在を知らないまま、終生、宇宙空間を無限に飛翔する環境の中にいるとした場合、果たして地球というものの存在に気が付き、出会いはあるのだろうかと言うことです。

※ 満月に浮かび上がった深夜の富士山。 星々の間を縫って、ひと筋の光が、一瞬、光って消えた。 流星か人工衛星か、はたまた、宇宙空間を行く未来の旅人が乗っているタイムカプセルか? 夢は果てしないーーー。

※ 月光が降り注ぐ遺跡群を横目に、ラクダに身を委ねたキャラバン隊が征く。 星の道標(michi-shirube)に導かれながらーーー。(平山郁夫画伯 「楼蘭遺跡を行く・月」 / 友人家 S.A. 氏 所蔵)

 地球が存在しているのは「天の川銀河」ですから、その銀河の存在を認識するだけなら何とかなりそうな気が致しますが、それも不可能な気がするのは、1千億個以上の銀河がある大宇宙の中で天の川銀河はそのひとつに過ぎないからに他なりません。 以前、この元町コラムで地球の住所を宇宙的に表現した事がありましたが、現在までに解明されている宇宙構造による地球の正式なアドレス〜宇宙での位置〜は、『大宇宙の超ローカル集団内ラニアケア超銀河団〜おとめ座超銀河団入る〜おとめ座銀河団内〜天の川銀河入る〜オリオン腕〜太陽系内〜その第3惑星』となり、極めて微小な存在である事を再認識せざるを得ません。

 言わば、宇宙の片隅にある馴染みの薄い超銀河団の中の、その遥か隅っこにあるひとつの銀河の中にあって、更に奥の片隅にある太陽系の、その中の3番目の星が地球という事ですからピンポイントも良いところです。 よく「太平洋で1本の針を探すような」という例えがありますが、それ風に言うなら「山奥の湖から太平洋に流れ出たキミの若い日の涙」を探すより困難さが伴うレベルかと思う次第です。

 そんな地球から大宇宙を思い、限られた範囲とはいえ探索を試みながら、日夜、電波を送り続けている人類の努力と好奇心に脱帽です。

 この星に生まれ、泣き、笑い、そして、日々、言葉を交わしている不思議。 「言葉」で元気を貰うと病気すら吹き飛ばしてしまう程のパワーを秘めていますから、まさに「言葉」は「魔法」そのもの。 筆者の友人で呑み仲間の一人でもあった遺伝子学の権威、故・村上和雄(Murakami Kazuo 1936年1月2日〜2021年4月13日 / 分子生物学者・筑波大学名誉教授)博士の言う「サムシング・グレイト」(Something Great / 偉大なる何か)が人類にくれた未知の贈り物のひとつが「言葉」なのかもしれません。

※ 筆者の秘蔵の贈書。 その著者、村上和雄博士はいつも未来を探索していた夢の語り部だった。 ロマンチストの氏は1983年(昭和58年)、高血圧を誘引する酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功し、ノーベル医学賞にリーチしたが惜しくも獲得には至らなかった。 その苦闘のプロセスを聴きながら頂く酒は痛快そのもので、夜が更けるのを忘れるのが常だった。 合掌ーーー。

 「言葉」を駆使して「他人に喜んで貰うことが自分も居心地が良くなる秘訣」ということを幼い頃から意識して育った人には、多分、それを知って実践していたお母さんやお父さん、そして、お爺ちゃん、お婆ちゃんが居て、これらの実在のモデルが身近に居て育ててくれたおかげで、誰と接しても「やさしい人」、「おもしろい人」になった人が沢山いる筈です。 そこには人工知能ロボットにはない「人を思いやる心」が存在していることは明白です。 そんな折、周囲を見渡して気が付いたことは、英雄が大好きだった私たちの子ども時代に相反して、自分自身が英雄になりたいという子供が最近はメッキリ減り、「みんなで力を結集して、一緒に何かに挑戦したい」というスタイルに変わってきている事でした。

 以前にもお伝えしましたが、「宇宙を探索する」という人生を賭けた長い旅に際して、狭い宇宙船という空間の中で求められているアストロノウツ(Astronauts / 宇宙飛行士)として、最も相応(fusawa )しい人は「温和で譲る心を備えている人」だそうで、そういう人間が「何があっても最後まで生き残れる人」と欧米の科学者たちは結論づけています。

※ オゾン溢れる地球に今年もいつもと同じ爛漫の春が訪れているーーー。

   考えてみれば、人間に限らず、生物は皆、お互いに助け合いながらこれまで進化してきたわけですが、それは『共生的進化論』と呼ばれる研究分野でのメインテーマにもなっていて、人の心と言うものは『他人のため』に献身的に努力している時に最も理想的な状態になり、それまで眠っていた潜在意識やプラス思考の遺伝子が一斉に「ON」になって活動を開始するように出来ている事は明白で、そのように人間は『創られている / 出来上がっている』のではと実感致します。

  謂わば、地球そのものが、『ノアの方舟』(Noa no Hakobune〜Noah's Ark / 旧約聖書に登場する人類再生の為の大洪水からの脱出船)のように思えると同時に、宇宙にあって生きている一つの生命体みたいな存在が地球ですから、そこに生きている人間の進化の原動力として『助け合い』、『譲り合い』、『分かち合い』の三つの『合い』が極めて重要で、それが本物の『愛』になって人々の心に宿り続けるところに本当の進化の根元があるように思います。 また、特殊能力(gifted / intellectual giftedness)に関しても、目に見えるものだけでなく、目に見えないものの存在や、その働きを察知する能力を養う事も人間にとっては重要で、その存在を信じて常に自覚していれば、やがてその能力は皆に芽生えてくる可能性があるということの研究も深く進んでいるようです。

 科学の授業みたいになりましたが、人間と言うものは、元来、毎日が楽しく、うれしく、そして、イキイキ、ワクワク、ドキドキしながら生きて行くように偉大な誰かに創られている生き物だと言うことさえ認識出来れば、こんなに安心な事はありません。 自分の気持ちも、持ち方次第で、いつでも、何処でも、楽しい気分になれる能力を備えているのですから使わない手はないわけで、それを自覚しながら、私たちも今日から自分の能力を信じて新しい季節に飛び出そうではありませんか。

 3月、別れと共に新しい旅立ちの季節を迎えています。 春の陽光の中で無数の綿毛を送り出すタンポポのように巣立って行く若者たちが、今、聳(sobi)える人生の山々に挑(ido)み、大海原を渡ろうとしています。 空高く飛んで行った綿毛たちが遥かな大地で美しい花を咲かせるという期待と希望を持って、彼らを見送りたいと思います。

Tommy T. Ishiyama 

 

 

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