2022年(令和4年)12月20日号 元町コラム
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!
クリスマスイルミネーションが一層の輝きを増しています。
いつもと同じようにクリスマスの訪れを楽しんでいるつもりでも、その時代の背景や、自らが置かれている環境によって、それ等は毎年、違ったクリスマスの筈です。 今年が一段と輝きを増したクリスマスカラーに彩られているように見えるのは、皆さまが如何に充実した1年を過ごしたかの証明ですから、頑張り抜いた今年を自ら賛美する意味で、クリスマスを味わい尽くしましょう。
「クリスマス=恋人と過ごす」というイメージは、昨今、世界的にもかなり変わって来て、特に、他国から日本を見た場合は、私たち日本が独特のクリスマス感を持って過ごしている事から、皆、興味津々。 同様に、この時期に外地で過ごした経験のある皆さま方にとっては、世界の各地でのいろいろなクリスマスの形があることを肌で感じて、一層、趣き深い事でしょう。
今年最後の元町コラムは、ご縁が深い世界の国々の、様々なクリスマスを観て歩く旅へ皆さまをお誘いしたいと思います。
※ Merry Christmas......... 深夜近くなって、寝静まろうとしているストリート、モトマチのトナカイ達は準備も万端。 全てを整え終わって、あとは沢山のプレゼントをソリに積み込み、サンタクロースの到着を待って出発するだけ。 今年も沢山の笑顔を楽しみに、出発の瞬間が近づいて来たーーー。
世界的に最もよく見られる標準な過ごし方をするのが「アメリカ」に代表されるクリスマスで、それは家族みんなで過ごすというもの。 なので街中のお店もほとんど閉まっていてお休みです。
そんなアメリカのクリスマスでは鶏(チキン)ではなく、ターキーを頂く習慣があることは有名ですが、子供たちへのプレゼントも日本のように枕元に置くのではなく、クリスマスツリーの下に置くのが常で、それを知っている子供たちもツリーの下にサンタさんへの慰労の飲み物やクッキーを準備して、わくわくしながら眠りにつくのです。
昔は、サンタクロースのイメージは国や地域によって大きく異なり、服装も青色や紫色、ユニフォームも毛皮だったり様々でした。 1931年、コカ・コーラ社がクリスマスキャンペーン用に「赤い服を着て白髭で陽気な体格の良いサンタクロース」を採用した事が、コーラの世界進出と共にサンタクロースのイメージが統一されて世界に定着していったという経緯がありました。
世界を見渡せば、この時期、季節が真逆の南半球もあるわけですが、今が夏本番の「オーストラリア」では、サンタクロースがサーフボードに乗ってやって来ます。 さすがにサーファーの多いオーストラリア、クリスマスになるとサンタの衣装でサーフィンをする人が登場して、そして、ビーチでBBQというのがオーストラリアのクリスマス定番になっています。
一方、アジアに目を向けると、「フィリピン」は世界で一番、クリスマスシーズンが長い国として有名です。 日本でも早くからクリスマスのイルミネーションが街中を彩りますが、それよりも断トツに早く、9月中旬くらいになると、フィリピン中の街々はクリスマス一色。 趣向をこらせたイルミネーションが一斉に輝き、その期間はなんと、約3ヶ月も。 1年の約4分の1がクリスマス気分というから驚きです。
また、「スペイン」は「クリスマスの後には嘘つきがあふれる国」。 何故かと言うと、クリスマスが終わった12月28日のスペインでは「うそをついてもOKな日」だから。 TVでも、ジョークで嘘のニュースが流れるというノリも認められていますから、このことを知らずにこの時期に訪れて「スペイン人は嘘つきだ!」なんて思わないように注意しましょう。
「メキシコ」のクリスマスは「くす玉割り大会」で大盛り上がり。 メキシコではクリスマスに限ったことではありませんが、おめでたいイベントでは「ピニャータ」というくす玉が必ず登場します。 このピニャータには子供たちの大好きなお菓子やおもちゃがたくさん詰め込まれているので、子供たちが必死になってピニャータを割り、お菓子やおもちゃをゲットする姿がとても愛らしく可愛いくもあります。
大変な戦火に見舞われた「ウクライナ」では、トナカイではなく蜘蛛がクリスマスには大活躍します。 さすがに蜘蛛が糸を引いてサンタを連れて来る!ということはありませんが、ウクライナでは蜘蛛はクリスマスを象徴するシンボルとして知られていて、クリスマスツリーに蜘蛛の糸を張り巡らすと「金」と「銀」になるという言い伝えがあり、クリスマスの日にツリーに蜘蛛の糸を沢山張り巡らせば幸せになれるとされています。
※ 寒い日も元気で遊ぼう!クリスマス。 ボク達が、いつでもモトマチストリートで待っていますので、温かくしてお出かけ下さーーーいっ!
「横浜に春を呼ぶ」とのキャッチフレーズが定着した感のある「セント パトリックスデー パレード」でお馴染みのアイルランドでは、ギネスビールでサンタをもてなします。 アイルランドではクリスマスイブの夜に、ミートパイなどのおつまみと一緒にサンタ用のビールをツリーの下へ置いておくのが一般的で、名物のギネスビールの産地ならでは、という感じで楽しくなります。
また、サンタクロースの本場、北欧の「フィンランド」のクリスマスは、まず、お墓参りから。 フィンランドといえば、サンタクロースの出身地とも言われる、まさにクリスマスの本家本元ですが、実はフィンランドでは、クリスマスにお墓参りをするという習慣があります。 ただし、フィンランドではこの時期、極寒であるために花は凍ってしまうので、代わりにローソクを捧げます。 ですから、フィンランドはローソクの消費量は世界一。 北欧のクリスマスは、日中でも暗いので、お墓にお供えされたローソクの炎がゆらゆらと輝いている景色は寒さも加わって実に幻想的です。
※ 横浜山手の洋館は、外国にいる風情でクリスマスの温かな雰囲気を醸し出しています。 特別のクリスマスプレートに、とっておきのカトラリーをセットして、準備万端。 後はゲストの到着を待つばかりーーー。
同じ北欧でも「スウェーデン」のクリスマスはコーヒーで乾杯です。 スウェーデンでは、クリスマスにコーヒーを飲んでお祝いすることが多く、意外にも年間のコーヒーの消費量は、同じコーヒー人気の日本の2倍近くもあるんです。 そして、スウェーデンにはなんと、クリスマスケーキがないのです。 その代わり、サフランブレッドと呼ばれる特別なパンを焼くわけですが、昔は、サフランが高級食材だったことに由来して、お祝いのときのみに食べられるご馳走として、こうした習慣が根付いたようです。
さて、北ヨーロッパ、フィンランド湾に面する「エストニア」のクリスマスにも触れておきましょう。 エストニアのクリスマスは家族みんなでサウナ。 気候が厳しい北欧、エストニアの人々もサウナが大好き。 クリスマスは美味しいお料理をいただき、家族みんなでサウナに入って温まるという習慣があって、まさに寒い寒い極寒地ならではのクリスマスを楽しんでいます。
最後は「チェコ」のクリスマスです。 チェコでは、なんと独身女性が靴を投げるんです。 チェコの独身女性にとって非常に重要な習慣、それは、クリスマスの日に家の玄関に背を向けて靴を投げること。 投げられた靴のつま先が玄関の扉の方を向いていたら1年以内にその女性はお嫁さんに、もし家の方を向いていたらその1年間はお嫁に行けないという言い伝えがあって、おまじないなのですが、チェコの独身女性にとってクリスマスは人生を賭けた非常に重要な真剣勝負の日というわけです。
楽しく面白い世界の多種多様なクリスマス。 皆さまは、何処の国のクリスマスにご興味を抱かれましたか? まだまだ、間に合いますので、ピンポイントで世界のクリスマスの探索にご一緒に出かけましょう。
寒い毎日ですが、皆さまどうぞ温かくして、素晴らしいクリスマスホリデーをお過ごしくださいますように、。 本年も横浜元町が大変お世話になり、ありがとうございました。
Tommy T. Ishiyama