2024年(令和6年)11月5日号 元町コラム
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!
モトマチのフェニックス
〜不死鳥の翼に乗って〜(21)
『巡り来る季節の中に、今年も、、』
「コスモス」(cosmos)」と「秋の百合」が競うように咲いています。 日本の秋は、なんと清涼で清々しい景色に溢れているのでしょうか。 特に今年は、異常高温が続いた過酷な日々を耐え忍んで来た私たちへのご褒美のように咲き誇っています。
コスモスは日本的には「秋桜」と書いて「あきざくら」。 季節を代表する季語として俳壇によく登場致しますが、元来は花弁の形が桜に似ているところから名づけられていたものが、昨今は「秋桜」と書いて「コスモス」と読ませるシーンが多く、一層の風情を感じます。
そして、秋桜に対抗するように凛と輝く秋の白百合はスタイルが抜群で、今日も出逢ったスマートに咲いている百合の花はテッポウユリの一種の「高砂百合」とお見受け致しました。 百合の開花は一般的に7月〜9月ですが、横浜の郊外や関東圏の山間部で遅れて咲く百合を探すのも一興です。
※ ヨーロッパやアメリカと同様に古くから日本の文化に根付いている百合の花。 ユリは東西文化の架け橋となった花でもあるーーー。
「ユリ(百合)」の語源には、花が風に揺れる姿を「揺り(ゆり)」とか、鱗状に重なり合った球根の形を「寄り(より)」と言い習わしたことや、古事記に登場する伊須気余理売(いすきよりひめ)の「余理(より)」に由来するなどの諸説がありますが、世界中で愛されているゆりの花の原種はアジア地域を中心にその数は100種類以上を数え、交配種(園芸品種)を含めると世界には約130種のユリが分布しているそうです。
※ 百合と出会った午後の散歩道、嬉しさが倍増するような街で出会った可愛い男の子たち。 手前が天真爛漫でお茶目なアンバーくん(2歳)、そして、後ろでマイペースなのがおっとり優しいココ・Jr. くん(9歳)。 偶然、同じお誕生日の1月28日生まれと伺いました。 明日も会えるといいナーーー。
※ 爛漫の秋桜(コスモス)畑を熱気球が音も無く流れて行く。 可憐に咲く一輪のコスモスの花も可愛いが、野に群生するコスモスの迫力に明日の元気を貰って、さあ、飛び出そうーーー。
可愛いワンちゃん達も嬉々として見渡しそうな広大なコスモス畑ですが、可憐で愛おしい秋桜をコスモスと表現したおしゃれな読み方の発端は紛れもない昭和52年の大ヒット曲「秋桜(コスモス)」から。 嫁ぐ娘が母を思う気持ちを歌った当時の山口百恵さんの18歳の時の楽曲でした。 作詞・作曲者のさだまさし氏は、当初のタイトルを歌の中に出てくる「小春日和(こはるびより)」と予定していたと聞き及んでいます。
当時の歌謡界は、歌詞やタイトルのキーワードとなる漢字を別の読み方で読ませる事が大はやりで、「恋敵」を「ライバル」、「運命」を「さだめ」などと読ませる一連の流れの中にあった為に、プロデューサーの酒井政利氏の提案で「秋桜」と書いて「コスモス」と読んでタイトルとしたそうです。 「秋桜」を「コスモス」と読むのが定番になった感がある昨今、ひとつの言葉の奥行きに常に注意を払っていれば、そこには深くも浅くも、必ず何らかのストーリーやドラマを孕んでいるので興味が尽きません。
Tommy T. Ishiyama