2024年(令和6年)1月20日号 元町コラム
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!
モトマチのフェニックス 〜不死鳥の翼に乗って〜(2)
〜 「マインドフルネス」を意識しながら、旅へご一緒しませんか? 〜
新年早々、何やら難しそうな単語を登場させてしまって恐縮ですが、大きく深呼吸して、自分を外側から眺める気持ちを少しでも整える事が出来たら、もう、マインドフルネス(mindfulness)という分厚い本を半ばまで読み進んだも同然です。
マインドフルネスは心の平静を取り戻し、日常生活に不可欠な新しいエネルギーと視点を芽生えさせるパワーの源泉になるものですので、平和を見い出しながら自己理解を確実に深める事が出来る「心の内面の旅」へ皆さまをお誘いすることは重要です。 そんな旅の過程で判明するであろう人々の「平和で穏やかな時間」を見つめる為に、常に「湧き上がって来る雑念」をどの様にして絶つかという部分を冷静に考えながら、ご一緒に一歩でも先へ進みたいと考えています。
※ 旅への誘(izana)いは心が叫んでいる危険信号を回避するため。 遠い空の彼方に思いを馳せ、明日という未来を確実なものにする為にも心の叫びに応える事は重要だーーー。
思えば、臨床心理学者を目指していた若き日の筆者が真っ先に意識したもの、それこそ、この雑念というものを如何に断つかの手段を得ることでした。 それは、心理的に不都合な状態を被っている様々な人々を救済すると同時に、マインドフルネスによる新しい心理治療を成就させ、うつ病などの症状を緩和する事によってストレスや心配から発症に至る心の病を軽減させるなど、心の健康の維持には雑念ほど害があるものはないと実感した瞬間でもありました。
※ 煩悩(Bon-noh)とは人間に取り憑く「強欲・妄想・猜疑心」。 人間性を破壊する全てのものを意味する仏教用語。 「四苦八苦」も同様に我々の身近に存在する言葉で煩悩の数を意味すると言われている。 つまり、「シクハック= 4x9 & 8x9」で、合計108個も。 除夜の鐘が綺麗さっぱり洗い流してくれたーーー。(写真は久保山 天池庵圓覺寺さんの梵鐘)
心を蝕(mushiba)む雑念の排除、それは言い換えれば、自らの成長や老いの過程で避ける事が出来ないであろう心の障害物排除の予防策でもあったわけですが、幸い、人間の精神心理コントロールのセーフティ システムは完璧なまでに個々に完備されていて、例えば、今年も迎えることが出来た新年の幕開けの刹那など、除夜の鐘をついて108個もある煩悩(Bon-noh / 自分を苦しめる心などの意)を祓い、新春の朝を清々(suga-suga)しく感ずる事が出来たのも、「新しい年を迎える」といった自らを浄化する心の準備が既に整えられた事に由来する心理作用の成せる技なわけですから、平素から年代を問わず心を守ってくれる安全システムが常時、機能している私たち人間は実に幸せな存在だと言うことが出来ます。
※ 旅人たちを完璧にフォローしてくれる超一流の仲間たちは守護神の様な存在だ。 ロンドン、ヴィクトリア駅で出迎えてくれたのはある日のオリエントエキスプレス各部門の乗務責任者たちーーー。
平素の心を如何に平らに保ち、それをどの様に長期に維持してゆくかがますます重要になって来るわけですが、雑念を払い、瞑想を自由に楽しむ事が出来ればそれがひとつの理想である事は明白です。
野に住まう石仏も何らかの絆によるご縁ある者に思えるし、未来を共に祈ってくれる身内の魂の権化にも思えて、手の合わせ方や所作も自然に整ったものになる筈。 そこでは未来が広がり、夢や希望が育まれている事が実感出来て、自分の行く道が見えてくる様な気が芽生えるから不思議です。
思うに、雑念というものが払拭された中で、瞑想状態にも似た時の流れが大晦日〜元旦〜初日の出という新鮮な連鎖の中へ私たちを導いてくれた結果ですから、それはまさにマインドフルネスの真っ只中に居るのと同じです。 その結果として、周りで囀(saezu)る鳥たちや木々のざわめきまで自分への応援歌としてパワーを送ってくれている様に感じて、大きな自信が生まれるきっかけとなる事でしょう。
旅に出かけるのは、日常生活から一変して新年を迎える刹那にも似て、それらの事象を如実に経験できる最も好ましい手段となり得るわけですので、忙しい皆さまへはこの元町コラムを通して、月に2回、今年もご一緒に人生という旅を楽しんで頂ければ幸いです。
Tommy T. Ishiyama