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2025年(令和7年)420日号 元町コラム 
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!

横浜モトマチ 
“Rainbow Connection”
遥かな虹を超えて 〜(8)

 春が芽吹き、新緑の季節を迎えようとしている『ウェールズ』は大英帝国及び北アイルランド連合王国を構成している四つの国のひとつで、グレイトブリテン島の南西に位置して、南にブリストル海峡、東にイングランド、西と北にはアイリッシュ海が存在しています。

 一路、富士山を後にしてーーー。(Photo by H. Kaneko-sama)

かつて、豊富に埋蔵されている石炭をはじめとする豊富な地下資源を産出し、イギリスの産業革命を支えた歴史を持つウェールズ。 ブリトン系住民はローマ帝国の支配を受けたもののアングロサクソン民族に征服されたわけではありませんでした。 そのアングロサクソンに抵抗したブリトン人の王の物語が「アーサー王」の伝説です。 

 アーサー王(ウェールズ語では『Brenin Arthur』、英語では『King Arthur』)は5世紀後半から6世紀初めのブリトン人の君主とされていますが、一般にアーサー王物語として知られている話の全てが民間伝承や創作によるものとの研究結果もあり、アーサー王が実在したかについては現在でも歴史家が議論を続けているものの、イギリスにおいては宿敵のライバルであるフランスが国の象徴としてカール大帝を担ぎ出した事に対抗して、アーサー王こそ自国の象徴と持ち上げており、その人気は騎士道の理想と共に民間に根強いものが存在しています。

※毎度お馴染みイギリスの正式国名の意味を物語っている国旗🇬🇧の明細〜『United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland』(大英帝国及び北アイルランド連合王国)。略して、United Kingdom, UK, Britain。イギリスはヨーロッパ大陸北西岸に位置する国。グレイトブリテン島、アイルランド島の北東部と多くの島々から構成されている立憲君主制国家だーーー。

 そんな連合王国の中のウェールズ。 その中央に位置する中世の城下街「ラドロウ」(Ludlow)で見かけたハンギングバスケットには色とりどりのロベリアがたくさん咲き誇る季節を迎えようとしていますが、このキキヨウ科の一年草、ロベリアは初夏から夏が花の時期で、日本でも苗が市販されているものの高温多湿を嫌う為に梅雨時期の管理が難しく、群れ咲く姿を見た記憶が昨今の日本では無いというのが実情です。

※ ロベリア・シフィリティカ(LOBELIA SIPHILITICA)の花の色が美しい。茎の根元に新芽が出てるのは「来年も楽しめるからね」という予言的サインのような気がするーーー。


 ハンギングバスケットや寄せ植えなどの脇役として使用されるロベリアですが、ズームアップして眺めると小さな花は蝶が舞っているようにも、また、妖精が羽ばたいているようにも見えて、その可愛らしい姿に思わず笑顔がこぼれます。 紫、青、ピンクの濃淡が美しく優しい花の色が街中に溢れるのももうすぐです。
※ ウェールズのヘラルディック・バッジ(Heraldic badge / 王政に由来する紋章のこと)にはウェールズの守護聖人、聖(セント)デイビッドおよびウェールズそのものを象徴するリーキ(西洋ネギ)が描かれるのが常ですが、今年も3月1日の「セントデイビッドデー」を祝う日に人気だった一般のピンバッジにも王章とネギの意匠がーーー。
写真はペンブルックシャー(Pembrokeshire)のセント・デイヴィッズ大聖堂(St David's Cathedral / ウェールズ語: Eglwys Gadeiriol Tyddewi)ーーー。


 中世の時計塔の後ろに沈む夏の夕陽のオレンジ色が筆者には一層美しく懐かしく想い出されます。 もう直ぐ、短い夏が今年も訪れる頃となりました。

Tommy T. Ishiyama

 

 

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