• facebook
  • twitter
  • instagram
  • youtube


2025年(令和7年)7月20日号 元町コラム 
横浜開港200年 / Y200(2059年)を夢みて!

 横浜モトマチ
  “Rainbow Connection”
遥かな虹を超えて 〜(14)

 反薄名光線(はんはくめいこうせん / anticrepuscular rays)とは、太陽が雲に隠れているとき、その雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、太陽と正反対の方向に光線の柱(光芒)が放射状に収束して見える現象のこと。

 太陽の周囲にできる薄明光線とは逆の光で、裏後光(うらごこう)とか、裏御光とも呼ばれています。

※ 赤岳山頂にて。日の入り時の反薄明光線ーーー。 

※ 上記画像の真反対の太陽光。同じく赤岳山頂にてーーー。 

 山々が美しい季節になりました。 そして、光が織りなす見事な自然美は大自然ならではこその味わいと神秘的な満足感で私たちを包み込んでくれます。 そんな不思議な現象が起こる理由をゆっくり考えてみるのも夏の昼下がりの気分転換に如何でしょうか?

 天空上での位置関係を考えてみるとすぐに解る事ですが、水平線上にある太陽が光の起点となり、ここから対日点(太陽と正反対の地点)に向かって光は伸びるわけですが、太陽側では光芒は広がりながら伸び、観測者の真上の空を境に対日点側では光芒が収束しながら伸びて行きます。 この収束する光芒が反薄明光線と言うわけです。

 反薄明光線は本質的には平行ですが透視投影による錯視からこのような現象として感動を与えてくれるので不思議です。

 さて、皆さまの一番想い出深い旅はいつ頃の何処への旅でしょうか? 眠りにつく前にゆっくり思い返してみるのは如何でしょうか。 いつもひとり旅派ですか? それともふたり旅派ですか? 日本には「同行二人」という言葉があります。 例えば、ひとり、お遍路さんになって四国巡礼の旅の途上にあっても、それは「弘法大師さんがいつも傍らにある」という意味から「同行二人」と表現されるわけで、中学生の古文の教科の中で見た記憶があります。

 中学生時代に限らず、その折々に、親友と二人で出かけた旅は、必ず大きな転機をもたらしてくれる場合が多いような気が致しますが、旅の終わりに切なさを覚えて急に急に涙ぐんだりするのも得たものが大きかった証拠なのかも知れません。

 若い時代に「同行二人」という言葉を知っていたとして、弘法大師の時代から遠く離れて生きている私たちには何十年か経過しないと、その片鱗にも触れる事は出来ませんが、それから更に、、「ン10年」を経過した現在でも、そんな言葉があったことすらも忘れて、ひたすら食べ、飲み、笑い合って旅を楽しんでいるわけですが、それはそれ、これはこれ。 しかし、誰と旅をしていても、ある瞬間、別の誰かと一緒に旅をしている実感が漂って来たり、無意識にそんな誰かと会話をしている自分がそこに居る事に気がつくようになりました。


※ 遺伝子工学の権威、気さくな飲み仲間でもある村上和雄博士の名著ーーー。
 
 ですから、誰と旅に出ても、また、大勢で旅に出かけても「同行二人」の旅は瞬間的に必ずあるわけですので、それが、旅をしたくなる原点なのかも知れません。 それは、誰か、あるいは『サムシング・グレイト』(Something Great)との感性の共鳴の瞬間でもあるのではないかとさえ思えるようになりました。

 それは、山などにかかるめでたいしるしのかすみやもやを意味する瑞煙(ずいえん)などを目にした時に、一層、そう感ずるのです。

Tommy T. Ishiyama

follow

ページの先頭へ